苦労は本当に人を磨くか

「艱難汝を玉にす」カンナンナンジギョクニス

この言葉は困難や苦労を重ねることによって、

人間は玉になる、立派になるという意味です。

また、若いときの苦労は買うてもせよ。

との、言葉があります。

私の尊敬する、ひろ さちや先生は、

この二つの言葉がなんとなく嫌いだったそうです。

そこで、イギリスの作家モームの言葉

「私は苦悩が人を気高くなどしないことをはっきり知った。

苦悩は人を我儘にし、卑劣にし、ケチにし疑い深くする。

些細なことにこだわるようにさせる。

苦悩は人を本来の性質より良くはしない。悪くさせるのだ」

このモームの言葉に先生は賛成されました。

若い頃苦労に苦悩をかさねて、そして今成功者に

なった人がいるでしょう。

金持ちになり、社会的ポストも高くなった人ですが

いちおうその人を成功者と呼んでおきましょう。

でも、そういう成功者と呼ばれる人たち、みな人格円満でしょうか?

ミンチ偽装のミートホープの社長さん、苦労人と呼ばれていたらしいです。

俺は、若い頃からさんざ苦労したから、今日の俺があると考える。

そうすると、失敗した人間には、冷たい。

彼らは努力しないから失敗したのだ。と、蔑みの目で見る。

その成功者たちは、本当に「玉」に、なっていますか?

むしろ、玉ではなく屑になっているように思われます。

自分たちは、敗者・弱者を思いやる心の余裕を失った

卑劣な人間になっているのではないかと反省することです。

まかり間違っても、若者を非難しては、いけません。

若者は弱者なんですから。

努力したものが、報われる社会。現政権がとなえている

ことが絵空事のように思われてならない。