がんと闘った専門医・山崎先生がのこした言葉
1%の希望を 信じよう2008年2月6日北海道新聞の記事
がんと闘った専門医・山崎さんがのこした言葉
北大大学院医学研究科で中皮腫や肺がんを専門としてきた医師が
1月12日自ら専門とする中皮腫で他界した。特に
この中で「がん患者に向き合う医師は、病気の進行に
ついて悲観的な見通しを言うのは絶対にやめてほしい。患者さん
に希望を与えよう。そのためには、がん患者を治した経験をたくさん
持ってほしい」後輩の医師に語った。
自分が、患者として得た経験を医療現場に伝えようと、懸命だった。
治療の効果が出る確率が低ければ苦痛を取り除くことに重点を置く
ターミナルケアに移行する。
ただー。わずかな可能性にかける患者がいる。
山崎先生もその一人だった。
「サッカーの試合なら、残り1分、〇対4の状況でも、がんばる患者さんが
いる。その気持ちを、最後のホイッスルが鳴るまで支えるのが
医師の役目だと。私たちが普段忘れがちなことを、山崎先生から
教わった。」と同僚の先生がいう。
山崎先生は最後のホイッスルが間近いことを覚悟する。
「エンドスデージだ」。と言った。
専門医として自らの病状を冷静に見極めていた。
まるで、学会の手配をするように、自分の葬儀の用意を始めた。
2008年元旦、外泊した自宅のソファで山崎先生はノートパソコン
をひざに抱き、葬儀で朗読してもらう「病状報告」を少しずつ打ち始める。
「本日はお忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございました…」
山崎先生が、スポーツの好きな訳を「スポーツは、何があるか分からないよね。
終りの方に大逆転のドラマがあるかもしれない。それが楽しいんだ」
12日早朝、山崎先生は北大病院で永眠した。(46)
「病状報告」の一部が紹介されていた。
―今日は治らなくても、明日はよい治療方法が見つかるかもしれない。
1%の希望があれば、闘病意欲のある患者さんには、
その1%にかけてがんばろうと言うべきだ―。
命の終わりを見つめながら
前を向いて生きること、
その闘いを支える医療
関係者の心構え
永遠のテーマ
ですね