ミサイル防衛は全く役にたちません。


「そんな馬鹿な。ミサイル防衛は日本の防衛政策の柱になっているでは

 ないか」とお思いでしょう。確かに「防衛大綱」では、

 「弾道ミサイル攻撃への対応」が重要な項目になっています。

 でも役にたたないのです。

 その理解は極めて簡単です。小学生でも、中学生でも解ります。

 弾道ミサイルは打ち上がると、数百キロメートル以上の上空を飛びます。

 通常の地対空ミサイルや空対空ミサイルで迎撃できる高度はせいぜい

数十km程度です。届かないのですから当然撃墜できません。

そして、ミサイルは目標に向かって下降します。この時のスピードは

大陸間弾道弾(ICBM)クラスでは秒速約7km程度、中距離弾道ミサイル

(IRBM)で秒速約2km程度です。ミサイルの長さを20メートル位として、

これが一秒に2km移動します。

こんな物を撃ち落とせるはずがありません。

これを私達の身近な世界と比較してみたいと思います。

これを野球とサッカーに例えて考えて見よう。

野球でピッチャーが時速150KMで投げる時は、秒速42メートルです。

サッカーでペナルティを得てゴールに蹴る時は初速で秒速30メートルです。

ミサイルが落下する時はピッチャーの球の50倍以上の速度です。

こんなものを撃てるはずがありません。

さらにバッターは、ホームプレートの上を通る球を打てばよいのですが、

ミサイルで東京を守るとなると、守る範囲は何十KM四方です。

守る事 ありえません。

もっと重要な点があります。

 敵国がミサイルを撃つ時、目標がどこか解りません。

 北朝鮮が日本を攻撃するとして、それが東京を狙うのか、大阪を狙うのか、

 福岡を狙うのか、沖縄を狙うのか。

 東京を狙うとして、国会議事堂を狙うのか、防衛省のある市ヶ谷を狙うのか、

 銀座、新宿の繁華街を狙うのか、ビジネスのセンターの丸の内を狙うのか。

 狙う場所が解らなければ軌道が解りません。

どこを飛ぶか解らないミサイルをどう打ち落すことができるでしょうか。

 全く、意味のないことをさも、意味ありげにしているのがミサイル防衛です。

 多分反論があります。ミサイル防衛は米軍が真剣に対応している

一大国家プロジェクトです。巨額の資金を投入しています。

 意味のないことにお金を注ぐとは信じられない。

 実はミサイル防衛が軍事的に意味のある時があります。

 敵がミサイルを撃ってくる時には2種類あります。一つは政治経済の中心地に

撃ち、戦闘意欲を削ぐ時。今一つは自国のミサイルを防衛する時。

 敵が政治経済の中心地を狙う時には、どこを目標にするか解りません。

だから防衛のしようがありません。しかし配備されているミサイルを

 めがけてくるなら、かつ正確に目標を捉えられるなら、その軌道は正確に

解ります。ここにはミサイル防衛の可能性があります。

しかし、我々日本人が北朝鮮や中国のミサイルから防衛すると言った時に、

 人々が思うのは、一般の日本人が活動している政治、経済、社会の中心地の

防衛です。その時にはミサイル防衛というのは全く役にたちません。

 我々は仮想敵国として北朝鮮と中国を持っています。北朝鮮が日本に届く

距離のミサイル・ノドンを200から300配備していると言われています。

 中国は、中距離弾道ミサイル東風21号を300保有しているとみられます。

これらにとても対応出来ません。

ミサイル防衛は単なる戦争ごっこの玩具です。それも全く性能が悪くて、

ほとんど意味をなさない玩具です。