釈尊との対話

NHKブックス著者 奈良 康明さんの釈尊との対話から引用

これは悟りを開いたのちの言葉だか「生まれたものは死を逃れる方法はない。老いては死ぬ。まことに

これが生あるものにとっての定めである。」「若い人も壮年の人も、知恵のあるなしにもかかわらず、誰

もが死に屈服する。すべての人は死に終わる。見るがいい。親族が限りなく悲しみ、見守っているの

に、人は屠所に引かれる牛のように、一人づつ連れ去られる。このように世間の人は老と死に傷つく。

だから、賢者はこの世の有様を知って悲しまない。」「あなた方は生と死の両極を見極めないでいたづら

に悲しむ迷妄にとらわれ、自分を傷つけている人がなき悲しむことで何らかの利益があるなら、賢者も

そうしてもいい。しかし、嘆き悲しむことによって心の安らぎは獲られないいっそう苦が生じ体かやつれ

るだけである。」           つづく